コロナ倒産?窮地に立ったバス会社の物語

2020年の幕開けと同時に少しずつ足音を立たせてきたコロナウイルスの脅威。

そんなコロナで窮地に立ったバス会社の物語をお伝えします。

ふと、朝テレビをつけて見ていると目撃ニッポンという番組が流れていました。

何気なく見ていたら現実社会の惨さと切なさと全てが赤裸々に写っていたのでつい見入ってしまいました。

そこで流れていた、あるバス会社の物語です。

徐々に忍び寄る脅威・・・。突如キャンセルが相次ぐ

2020年2月某日

この会社の本業は観光です。

そして、大型バスを中心とした観光ツアーで商売をしてきました。

その急成長の一助となったのがインバウンドです。

海外からの日本旅行が劇的に増え、その流れを掴み成長してきました。

ただ、状況はいっぺん!!!

2月の予定表はスケジュールでびっしりでした。

ですが、徐々にキャンセルの連絡が入り

気がつけば一件もない状態に・・・。

従業員は頭を抱えるしかありません。

バスが動かない!!どうしたら・・・。

受けていた仕事もキャンセルの連続・・・。

ただ、続くものがあります。

それは経費。

人件費。バスのリース料。賃貸物件の費用。

何もかも無情にも請求は襲ってきます。

コロナが来なかったら。コロナがなかったら。コロナさえ影響がなかったら。

そんな思いも夢ではなく現実です。

融資しかない。

政府の雇用調整助成金。などのコロナ助成金。

でも入金まで2ヶ月はかかるという・・・。

政策金融公庫。地銀。信金。

当たれるところは当たりました。

「頼む!!!頼むから金を貸してくれ!!

従業員の給料を払えなくなる!」

社長は懇願します。頭を下げます。そこにはプライドなんかありません。

創業から従業員を守ってきた社長。

そりゃ。会社に対する、従業員に対する気持ちは大きいです。

ドラマなら逆転劇!!みたいなことが始まりますが。。。

ここは現実世界。そんなに甘くはない。

どこに頭を下げても、どこに頼み込んでも。

一時的に凌ぐための資金融資。

貸してはくれない・・・。

給料のカット。序章にすぎない・・・。

「なんで俺が?」誰もがそう思ったでしょう。

従業員の給料20%カット。

役員幹部は30%カットです。

そのうえ、仕事の増えない現実は変わりません。

休みも当然増えていきます。

当然ですよね。仕事がないんですから。

それでもどうにかしないといけません。

だからこそ、仕事を探します。何か売り上げになる何かを。

ただ、どの企業も同じ状況です。

だからこそ、苦しいのです。

ついに。解雇。そして解雇。そしてまた解雇。

結論から言うと、社員の約40%が解雇対象になります。

それもベテラン運転手や創業からの有志達です。

普通の神経ではいられません。

まだまだできる手はあるかもしれません。

ですが、それを模索しても足掻いても

経費の波は襲ってきます。従業員を守るためにすべきこと。

従業員の解雇です。

誰も責めることができません。

なにも現実世界は変わりません。

解雇金と謝礼金を含めての解雇通知。

ただ、世の中という海原は大荒波です。誰も守ってはくれません。

ただ、会社は社長はそう決断しました。それは揺るぎない事実です。

そして、それを言い渡す地方の営業所長。

とある営業所の所長は自分が解雇を言い渡す。

自分だけが生き残って、今まで一緒にがんばってきたメンバーだけを解雇。

そんな現実に耐えられないと自分も一緒に退職を志願した方もいました。

思いは断腸。本当に人格者なんだと思います。

それでもなお世間は容赦はありません。

そんなに血を出しても、傾いた会社が立てなおることはできないのです。

あくまで、解雇は解決策ではなく、最後の手段。苦肉の決断なのです。

それでもなんとかしなくては・・・。

運転手で入社した女性ドライバーがいます。

今している仕事は「営業」

1日何件も何件もテレアポ営業をかけます。

何度も断られたでしょう。そして何度も心ない言葉をかけられたでしょう。

それでもなんとか掴んだアポイント。

コロナは収まったわけではありません。

扱っている商品はサーモカメラ。

温度を感知してコロナの予防に役立つ商品です。

誰もその商品を売りたいわけではありません。

やるしかないんです。みんなで生き抜くために。

今日の給料。明日の給料。今を生きていくために

なにがなんでも売上げを上げて会社を存続させなければ。

どの社員もそんな思いだったと思います。

社員の気持ち。本業がしたい。

生き抜くためにはなんでもしないといけないと言う思いでやってきました。

でも、本当はバスで観光で人を幸せにしたい。

だって、それで自分たちもやりがいを感じ

今まで一生懸命に仕事に会社に尽くしてきました。

ふと、目の前をみると売っているのはカメラ。

社員は社長に不満をぶつけます。

「僕たち、カメラを売る会社じゃないですよね。

しんどいのは十分わかってますけど、本業はなんなんですか?」

そう問われた社長はこう答えます。

「僕たちの本業はバスだ!全てバスがあるからこのカメラにつながっている。

今はすぐにバスが動く状況ではないけれでも、バスが本業の会社であると言うことは間違いない。」

その言葉をいきいた社員は少し安堵の表情。

厳しいのはわかっているが、僕たちが本当にしたい

社会への奉仕はバスで世の中に貢献すること。

その熱い思いが写った瞬間でした。

社長の葛藤。本当にこのままで良いんだろうか。

正直、会社を畳むことは簡単かもしれません。

社長自身、その思いが頭を何度もよぎったと言います。

どう足掻いても足掻いてもよくならない会社の現状。そして市場。

戻らない売上、集客。みんな必死です。

給与もカットし、創業来ずっと一緒にがんばってきたメンバーも解雇。

どうにかこうにかやってきましたが

よくなる兆しはなかなか出てきません。

「いっそうのこと会社を畳んだ方が良いんじゃないか。」

誰にも相談できなかったと言います。

そして、2月からずっと社長の報酬はゼロです。

当然かもしれませんが、覚悟が伺えます。

貯金を切り崩しての生活。

それでも、夢を抱きみんなと築いた会社。

そう簡単に潰すわけにはいきません。

それでこそ社長。絶対に諦めません。

絶対に会社を潰してなるものか。と。

「GOTOトラベル」少しずつ戻る景気

政府が打ち出した緊急対策

GOTOトラベル!!

ボロボロになった観光業やホテル業に向け経済対策を打ちます。

少しずつ受注が増えてきます。

営業はドライバーも事務員も関係ありません。

全従業員が営業であり全従業員がドライバーでもあります。

海外からの需要が見込めない分

日本からの需要をターゲットにするのです。

だからこそ今までしていなかったことを実践します。

それは教育です。

言葉の教育。接客の教育。おもてなしの教育。

なぜ今なのか。お金はないが時間はその分あります。

営業の側みんなで教育をして

自分たちを磨き成長していく。

最後に

まだまだ全然安泰という状況ではありません。

紆余曲折ありながらなんとか生きつないでいる状況です。

仕事の本質

それは「世の中にためになること」

それが少しでもズレると長くは成長できません。

そして、誰もがこのコロナウイルスの脅威は想像できませんでした。

だからこそこれからどう変わってなにが常識で

なにが非常識になるのかを肌で感じながら自身で判断し成長していくことが大切なんだと思います。

私もサラリーマンです。

もっと世のため人のために頑張らなくてはと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

ともまる