じんじのきほん 〜募集編〜

会社を運営していくうえで、人は欠かせません。

人材と一言で言ってもいろいろ言われています。

「人材」・「人財」・「人罪」

同じ「ざい」でもいろいろあるんですね。

私は会社にとって財産となるような人財になりたいですね〜。

それでは、今回はその採用をしていくはじめの一歩「募集編」を紹介していきます。

募集するときの注意点

募集する方法

労働者を募集する方法はさまざまあります。

ハローワークや転職サイトやエージェント、求人広告や折込、SNSなど。

そして、労働者を募集するときには次のような労働条件を書面等で明示する必要があります。

  1. 業務の内容
  2. 労働契約の期間
  3. 就業の場所
  4. 始業・終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日
  5. 賃金
  6. 労働保険・社会保険の適用

そのうえで注意すること!

明示する労働条件は虚偽・誇大内容とならないようにし、誤解を与えないように、わかりやすい表現を用いるようにする

募集するときに注意すること

募集・採用時に禁止されていること

  1. 年齢制限 : 年齢制限を設けることは原則として禁止されています。※合理的な理由がある場合を除く
  2. 性別 : 性別を理由とした差別は禁止されています。
  3. 身体的特徴 :身長や体重・体力の要件をつけたりすることを禁止されています。

雇用対策法・・・年齢の制限

男女雇用機会均等法・・・性別・身体的特徴

年齢制限を行うことができる合理的理由について

①定年の年齢を上限とする場合

例:60歳定年の場合 

  OK → 60歳未満の方を募集

  NG → 50歳未満の方を募集

②法律により年齢制限が設けられている場合

例:満18歳未満の深夜行の禁止・満18歳未満の危険有害業務の終業禁止

③長期勤続によるキャリア形成を図る観点で採用する場合(期間の定めない労働契約を対象)

  OK → 32歳未満の方を募集(経験不問)

  NG → 32歳未満の方を募集(○○の経験必須)

④技能・ノウハウ継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当少ない特定の年齢層に限定し採用する場合(期間の定めない労働契約を対象)

例:システムエンジニアとして30歳〜39歳(システムエンジニアは20歳〜29歳が10人、30歳〜39歳が3人、40歳〜49歳が9人)

※「相当数少ない」→年齢層を比較して2分の1以下であること

⑤芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合

例:演劇の子役など

⑥60歳以上の高齢者、氷河期世代(35歳以上55歳未満)または特定の年齢層の雇用を促進する政策の対象となる人に対する場合

例:若年者トライアル雇用の対象として、35歳未満の方を募集

個人情報の取り扱いと採用面接での注意点

個人情報の取り扱い

業務目的の範囲内であれば、個人情報を取得できます。

ただ、重要なのは集めた個人情報をどのように管理するかということです。

○不採用者の履歴書はどうする?

履歴書や職務経歴書は雇い入れ書類に含まれないため、法的な保存義務はありません。

そのため、処分ルールについても具体的なルールが存在しないのも事実です。

ただ、個人情報保護の観点から、返却方法や破棄の方法については募集要項や不採用通知などで必ず本人に明示伝えておくことが大切です。

昨今はWEB面接なども普及していますので、サイト内でもしっかりと明示(わかりやすく)することで不要なトラブルが増えることが無いようにすることも大事ですね。

採用面接で注意すること

面接では就職差別につながるという観点から次のような質問は不適切とされています。

友人関係や親しい中でもよく普通に相手を知るために聞いているような内容もあるので十分に注意しましょう。

  1. 本籍地に関すること
  2. 家族構成や家族親戚の職位や収入など
  3. 資産に関すること
  4. 思想・信条・尊敬する人物など
  5. 結婚や出産などに関すること

と、5つにまとめてますが細かく分けると非常に多くの内容があります。

そして、人が人を判断するうえで上記のような内容を無くしてはなかなかわからないのも事実です。

個人的に大事なことは、聞く相手をより判断することだと思います。

最終面接や段階を踏んで距離が縮まった中で相手の様子をみながら進めていくのも大事です。

メンタルヘルス・健康状態に関することについて

メンタルや健康状態びついては質問しづらい内容ですが、とても大事なことなので会社の思いをしっかりと伝えることも大事です。

就職差別につながらないように注意しながら情報を収集することは可能です。

ただし、厚労省が策定した内容によると「HIVやC型・B型肺炎」などの感染症は取得すべきでは無いとされてますので注意しましょう。

病院の問診のような形で睡眠や食事や治療・手術などのことを聞いておくことも大事な内容です。

業務上健康状態について事前に申告しておくことはありますか?とお聞きしておくことも労働者を守るためにも会社を守るためにも大切です。

外国人を雇用するときの注意点

ほんとうにいろんなところで増えてきましたね。

コンビニのレジや外食のキッチンやホール。

すでに日本経済にはなくてはならない存在となっていると思います。

そんな外国人に関して注意すべきことをお伝えします。

在留カードの確認

昔は外国人登録証などと言われていました。

外国人を雇用するときは必ずこの在留カードを確認してください。

【 在留カードの確認ポイント 】

  1. まず在留カードをちゃんと持っているか?
  2. 「就労制限の有無」の欄 
  3. 裏面の「資格外活動許可」の欄 「原則28時間以内」など

留学生などは「原則1週間28時間以内」と定められていますので十分に在留カードの内容をチェックしましょう。

【絶対!!】在留カードの確認を忘れてはいけません!

万が一、採用した外国人が不法就労であった場合は「3年以下の懲役、または300万以下の罰金」に処せられます。

特に留学生などの時間制限などは本人たちも多く働きたい場合があるので見落としがちです。

十分に注意しましょう。

内定通知や内定取消の注意点

新型コロナウイルスの影響もあり雇用が崩壊しています。

一気に売り手から逆転した業界も少なくありません。

ここでは採用後の対応についてお伝えします。

内定と労働契約

内定:会社が入社を承諾すること

労働契約:労働者と使用者(会社)が労働に対する対価を約する契約のこと

通常、採用通知をした時点で労働契約が成立します。

会社が内定を取り消すことができる場合

内定が成立しても、会社には一定の場合に労働契約を解除できる「留保付解約権」があります。

ただ、一般的には採用内定通知が届いた時点で「労働契約」が成立されるので、内定を取り消すことは「解雇」となり次のような合理的な理由が必要となります。

  • 「卒業すれば採用」といった条件に対して、卒業できなかった
  • 傷病のため将来就労に堪えられない事由が発生したとき
  • 採用要件であるところの重大な経歴詐称があったとき
  • 天災地変その他やむを得ない事由により事業の継続が不可能となったとき

正当な理由を無視した解雇は、解雇権の濫用として無効になり損害賠償を負う可能性もあります。

今の時代は労働者有利な法律となりますので十分注意したうえで採用を行いましょう。

さいごに

個人で起業したりフリーランスという働き方が増えてきています。

いろんな事業がさらに増えていく中でいろんな方を採用することも増えると思います。

簡単なようで難しい内容もありますので採用をする前の募集するところから注意しましょう。

とはいえ、人が人を判断するのは本当に難しいことです。

会社にとってこの方はどんなことを与えてくれるのか?という観点が大事なのではないかなと思ってます。

次回は「採用編」を予定しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ともまる