こんにちは。ともまるです。
私は現在、約8年間人事をしています。
「人事」と一言にいっても、本当にいろんなことを経験させていただきました。
そんな中で、「もし、こんなことがあったら私だったらこうするかなー?」という【自問自答形式】の話をしていきたいと思います。
会社の人事の方や、同じような悩みを持っている方に「こんな方法もあるのか。」というようなヒントになれば幸いです。
質問「シチュエーション」

とある日、退職した社員から、残業代請求の通知ありました。
その内容は、みんなで毎朝始業前に15分間、地域貢献の一環で会社周辺の清掃をしていました。
その15分間について、時間外労働ということで弁護士を通して請求がありました。
争いになっている箇所は、始業前15分の、会社周辺の掃除時間です。
近隣の住民からは、この会社に良い印象をもっており、社員を大切にする会社として、全国的に有名な会社です。
あなたなら、社長にどのように進言しますか?
私の「考え・回答」

まず大前提で法律論でいくと、裁判すれば必ず負けます。
現在の日本の労働に関する問題の多くは労働者有利に働きます。それを踏まえて判断しましょう。
15分の社会貢献の清掃であっても、選択自由がなければ、拘束時間としてみなされるからです。
選択の自由とは、行っても行かなくても良い場合のことです。この会社の場合は、みんな暗黙の了解で参加するのが前提であったということです。
この社員への対応は一択です。
時間外労働の事実を認め、請求支払いに応じます。
こちらも弁護士を通して、話し合いになっても「時間・労力」共にもったいないです。
弁護士を通して話をする場合、その時間外の勤怠記録を提出したり、相手弁護士からその勤怠記録に対する時間外に該当する時間の確認があったりと、予想以上に時間を割く必要があります。
ただし、ここ問題の本質は請求があった社員への対応ではありません。
それは、この時間外の対応そのものをその他の社員に対して伝えることです。
時間外労働への請求があったことはいう必要はありません。時間外の清掃活動に対して全体で変えていくことを改めて社長から発信してほしいのです。
その内容はこちらです。
会社周辺をきれいにすることで、今も地域の方から喜んで頂いております。
みんなにはもっともっと魅力があります。今は「きれいにしてくれてるね」ということで、ご評価いただいているのかもしれません。
ですが、みんなの魅力は「掃除力」ではありません。それは私が一番知っています。だからこそもったいない。
地域貢献の清掃ということではありますが、地域の清掃だけでなく、そこですれ違う地域住民へのあいさつや活気を伝え、地域の方をもっと驚かしましょう!すごい会社だということを。そして、すごい社員がいるということを。
これからの皆さんの姿勢に期待しています。よろしくお願いします。」
まとめ

今回は残業代の請求問題でした。
残業代と言っても、いろんな形があります。
最後は顧問の社労士や弁護士と相談して判断してください。
ただ、問題の根元は「人の感情」です。四角四面で測れるものではありません。
中にはシンプルなものもありますが、内容や問題が深く入り組んでいるケースもあります。
課題として浮き上がってきたことだけが問題でもなく、水面下で渦巻いている問題も多く存在します。
見える問題に意識がいきがちですが、なぜそうなったのか?誰と誰がなんの目的でそうなったのか?
考えを巡らせることが大事です。
人の問題が感情がつきものです。だからこそ、解決には時間と労力が必要です。
問題が大きければ大きいほど、効率的に解決したくなることもありますが、それは逆効果です。
人の感情だからこそ、慎重に対応することが求められます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
誰かの参考になれば嬉しいです。
ともまる